キムヨナ
2010年 02月 28日
キムヨナ…、バンクーバーに照準を合わせ、カナダに移り住み、4年間を掛けて自分のピークを2010年の冬に持ってきた…という印象がします。パーフェクトな技術に加えて、「出来栄え」に相当するらしい「加点」を稼げるプログラム。キムヨナの実力と、コーチであるブライアンオーサーの「戦略」が合致してのダントツの勝利だったような気がします。
私が思ったこと…。「自分に似合ったこと」「自分らしさを活かせること」をするのが一番だということ…。
音楽、表情、振り付け、コスチューム、色、髪型、メイクアップ…。自分らしくないこと、自分に似合わないことをすると、どこかにストレスが掛かるのではないかと思いました。音楽も振り付けも、与えられたものであっても、自分がこよなく愛せるものが良いのだなーと感じます。
「007」と「ガーシュイン」の音楽が、他の選手との差別化に成功していたと思うけれど、今夜観たエキシビションでのキムヨナは、打って変わってクラシカルな音色での演技。エッジングからは、まるでバイオリンの弓の動きが見えてくるようでした。緩急自在…、しかもスピードだけでなく、重力の変化をも感じさせるような動き…。空気がフワ~ッと、フワ~ッと流れるような動き、さらさらと水が流れるようなデトックスな動き、これは凄いです。動いていないときは無表情に見えるこの人の音色や旋律に対する感受性は、一旦動き始めると底なしのように見えます。
あの細い切れ長の細い目から放たれる「目ぢから」は、アイラインが太かろうが細かろうが関係ないというところが、フツーではありません。なんなんだろー、いったい…?
関節の全てに表情がある!肩先、肘、指先、手首、首の角度、ちょっとしたポーズを取るときの腰の角度や、膝から下の角度の絶妙なことったら…。シルキーな姿態が緩急自在にターンするたびに、金粉がきらりきらりと舞い散るようなイメージ。人の心にするりと入り込み、うっとりさせてくれる感じ…。
音楽の中に自分が入り込むのか、自分に音楽を引き寄せるのか、どちらなのか分らないほど、旋律をうまく表現しているのだから、非の打ち所がないのです。
人間の「からだ」と、「技術」と「心」が限界に挑んで合体した美しさなんだなー。
表現しようとしている音楽のテーマにかかわらず、スケートする喜び、楽しさが伝わり、一緒に滑っているような、滑らせてもらっているような錯覚に陥る、心が晴れる演技…なのでした。
これを歌に喩えると…、依然として道は険しい…。
けれども、目指そうとしているものが見えてきます…。
www.daily.co.jp/newsflash/2010/03/01/0002749524.shtml
ヨナと真央は同じ歳なんですね。
キム・ヨナ(1990年9月5日-
浅田真央(1990年9月25日-
>浅田は「まず世界選手権でお互い頑張れたらいい。たとえ辞めても、ヨナ選手の得点がトップとして残る(228・56点)。それを超えられる選手になれるように頑張りたい」
すさまじいです。
www.youtube.com/watch?v=s6G0BarvATA
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