ロバータ・ガンバリーニ

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4月中旬に、Cotton Clubで行われたロバータ・ガンバリーニのライヴを聴きに行ってきました。関東在住のボーカリストのお友達3人と一緒に4人で、「かぶりつき」で聴きました。ボーカリストのお友達と一緒に聴くと、楽しさ倍増です。皆の感想が一致したり、全く違ったり…。

私が座った位置は、ピアノの前にあった高いイスの真ん前。ガンバリーニがイスに座ると、真正面で2メートル圏内。見え過ぎです。

さて、何をどう、どこから話そうか…という感じですが…。
感じたことを率直に語ってみたいと思いまーす。そんな風に感じる人もいるんだ…と思って読んでやってくださいまし。長いし、クドイですよ、きっと。でも語ってみたいのです。

<長い前置き>
彼女のデビューは2005年らしい。CDのジャケット写真は記憶にあるものの、全然興味が向いていませんでした。その年は、個人的にとても色々な出来事があって、きっと新しいCDに頭が行かなかったのだと思います。2枚目のCDは2006年、ハンク・ジョーンズとの共演アルバム「Lush Life」。これは知っていたけれど、どうしてもコマーシャルな感じがするので、故意に買っていませんでした。

今年に入って、ピアノくんがこのCDを貸してくれました。聴き込むにつれ、唸ってしまいました。というか、ノックアウト。物凄く「巧い」のです。そして、その声は若干金属質が入った声。カーメンやアイリーン・クラール、そして日本の五輪真弓を思い出させる特徴のある声。歌唱(カツゼツや言葉のひっぱり方)は、カーメンか?と思うほど、唄い回しが似ている(研究している)ような印象を受けました。そしてスキャットが洒脱。スピード感が物凄い!ヒトですか?って感じです。

という訳で、遅ればせながら「Lush Life」を聴きまくり、ライヴがあると知ったときには即、行きたいと思った次第です。 <前置き終わり>

★ライヴ、凄かったです、スキャット。スキャットしているときは、歌手というよりは、器楽奏者。口=管楽器みたいな印象。きっと楽器も演奏できる人だと想像できます。高速スキャットの時などは、唇が動かずに、舌だけが動いていた瞬間もありました!往年の大歌手のスキャットは、D行やB行が多いけれど、彼女はSh行とR&W行を多用している!(こういう表現、正しいかどうか不明。)スキャット言語がとてもハンサムです。

★その容姿は、写真で見ていたのとは全く異なり、目が超デカ丸、眼光が鋭い。シラノ・ド・ベルジュラックくらい鼻が高い!「なぜあんなに鼻高いの~?」とボーカル友が言いました。全く音楽とは関係ないのだけれど、そのルックスは確かにショックでした。スキャットをしている時など、「この人何を考えて唄ってるんだろうー?」と、今まで感じたことのない思いが漠然とむくむく。この感覚は、ずっとずっと尾を引くのでありました。

★高速スキャットも凄いけれど、バラードだって、凄かったのです。超スローな曲をあんな風に唄えたら、恐いもの無しデス。しかし、やっぱり「この人、何考えて唄ってるんだろう…?」の感覚は消えず…。★ しかし、2曲だけ完璧没頭して聴けた歌がありました。私の真ん前でイスに座り、伏し目がちで唄った「You Don’t Know What Love Is」は女優が語っているようだったし、これまたイスに座って母国語・イタリア語で唄った「Estate」。しかもEstateは、目を瞑り、マイクを両手で抱えて口に付け、トランペットのミュート音みたいな感じでワンコーラス、アドリブを取りました。これは感動ものでした。まるで楽器。声は楽器で、楽器の音には感情をいっぱい込めることができるということを証明しているみたいでした。(だから、その反対に、心が感じられない音には感動できないのだなー。)

★バンドを仕切っていました。テンポの仕切り、流れの仕切り…。ルバートで始まるバラード曲も、イン・テンポになるときにバンドにテンポを出していました。これは、個人的には興ざめ。「ワ~ン、トゥ~、ワン・トゥ・スリー・フォッ!」マイクにこの声が入ってしまうと、バラードは台無しだなぁ…と感じました。難しいものです。どうせ仕切るのなら、日本のトッププレーヤーと一緒に演奏した方が、きっともっと良かったに違いありません。けれども、ピアニストには、嬉しい偶然!がありました…!

★ピアニストは、Jeb Patton。彼のプレイは好きでした。昨秋のNY旅行で聴いたDena DeRozeのライブに飛び入りで演奏したピアニストでした。その時紹介された名前は「ジャック・バック」と聴こえたけれど、ジェブ・パットンでした~。(当時ネットで検索不能でした。音は似ているけれど、私の耳も大したことありませ~ぬ。)彼のルバート演奏は、歌う人にとっては「ツボ」だなぁ…と感じます。これは二度聴いて同じ印象。ルバートが多いガンバリーニが起用したピアニスト、Jeb Patton。彼のプレイは思いやり深く感じられました。こういうピアノ好きです。ピアノを弾くのが好きなんだなー、寝っころがってでも弾いているんだろうなぁ…と感じさせられました。http://www.jebpatton.com/

★ガンバリーニのライヴも聴いたし、リリースされているCDも3枚聴きまくっています。巧いです。超・テクニシャン!でも何だか段々疲れてきました。全く隙がありませぬ。(トップ歌手を捕まえて、何を言うか~!?)バックの演奏がエモーショナルな場合、とても良いです。けれども、スキャットや高速テンポで突っ走る時、無機質な感覚に陥ります。私の心も無機的になってしまう感じ。そしてスキャットの割合が凄く多いです。さらに、ルバートの割合も多いです。

★ルバートで始まる曲が多すぎても飽きるし、スキャットの割合が多すぎても疲れます。「一曲まるまるイン・テンポで歌が聴きたい」と思ったりします。結局、ルバートもスキャットも、歌唱力がないと様になりません。でも、どんなに凄くても「過ぎたるは及ばざるが如し」という場合もあるのかもしれませぬ…。聴く側は勝手なものです。

★個人的な結論!やっぱり、バランスが重要なのかなーと思います。技術と感情表現の…。技術ばかりが先行する場合、「心」がついてこないような気がします。ガンバリーニは現時点では技術が先行している人なのかもしれません。ステージ上の立ち居振る舞いや表現から、パーソナリティを想像できる場合もあるのだけれど、彼女の歌唱からは、彼女のパーソナリティを想像することができない…のが不思議でした。どんな女性なんだろー?スキャットからは「勝気」「不屈の精神」を感じたけれど…。5年後、10年後はもっと円熟して更に素晴らしくなるのかもしれない…。

★CDを聴いていると、カツゼツ、声の伸ばし方など、ボーカル教材を聴いているみたいな感じに陥る場合もあります。すべてが、「こうであるべき」というお手本のような…!(真似したくない部分もあるけれど…。)スキャットも、音符がびっしり書いてある譜面が見えてきます。私なんか決して読めない物凄く細かい譜面…。私がこんな風に感じることって、珍しいです。確実に感動しているのに、どこか冷めた部分も残る…、そんな感じ。エラのスキャットを聴いても、そんな風には感じないから不思議。

★天才・偉才ガンバリーニを前に、いかにジャズの道のりが険しいか…、挫けるのでありました。でも、ガンバリーニは、一つ一つのパーツが勉強(教材)になる正真正銘のジャズシンガー。今流行りのポップス系のジャズシンガー・ソングライターとは一線を画する、王道を行く正統派のジャズシンガーだと思います!ガンバリーニ、万歳!これからも歴史が聴こえる奥深いジャズボーカルでお願いしまっす! 

あぁ、感想ながすぎッ。 
挫けてはいられない、私もガンバリャ~ニャ!

「あぁ、楽しかった!」というよりは、「あぁ、凄かった!」という感想でありました。

彼女をスカウトした55recordsも凄いなー。
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by tomtom2006T | 2009-05-15 16:18 | LIVE REPORT | Trackback | Comments(0)

ジャズ・マドンナ<十萌子>の、徒然なるままに・・・。


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