氷の花火・山口小夜子

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ここのところ、過去に遡って自分が好きだったものを思い出そうとしています。好きだったものって、自分のルーツのようなものだから…。

乙女の頃(?)大好きだったファッションモデルが二人居ました。
一人は、ティナ・ラッツ。一人は、山口小夜子。二人とも資生堂のCMでブレイクしました。似合わないかも…と分かっていても、小夜子さんに憧れて「おかっぱ頭」にしていたこともあります。ティナ・ラッツは、当時私が購読していた「装苑」の表紙を飾るトップモデル。愛くるしい瞳が百万ボルトでした。私は洋裁女子でしたから…。

ティナは41歳の時エイズで、小夜子さんは急性肺炎で57歳で亡くなりました。どちらも、避けることのできたはずの病だったと思うと、悔やまれてなりませんでした。もし生きていたならば、今頃どんな風に歳を重ねていたのでしょう…。

「人の幸せの分量はみな同じ。それが、ドーンと太く短く押し寄せるか、細~く長~く続くのか、中くらいの分量である時期ハッピーなのか、出方が違うだけで、みんな同じ分量なのよ」…と言っていた友達がいます。私も、ちょっと同感な部分もあります。ただ、幸せになるために努力をした人と、努力をそれ程しなかった人が同じであるはずはないので、単に、不幸せに悩んでいるときの慰め(救済)に聴こえなくもないです。でも、本当のところは分からないので、何とも…言えません。
この二人は、ドーンと太く短く生きた女性たち…。

先日、「氷の花火・山口小夜子」というドキュメント映画を観てきました。今年の春に、彼女の回顧展「山口小夜子・未来を着る人」(東京現代美術館)も観に行きましたが、映画は彼女の遺品や作品ばかりでなく、何をどうしたかの生き様にもフォーカスしていて興味深いものがありました。彼女と親交のあった人物達のインタビューが盛り込まれていたせいかもしれません。(現在の勅使河原三郎氏のインタビューが無かったことだけが残念…。きっと引き受けてもらえなかったのでしょうね…。でも解せます。)
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自分の好奇心に忠実に、貪欲以上と言えるほどに夢を追いかける、飽くなき探求心と表現欲があった…。そして誰にも明かさなかった努力の方法。私は静かに、ずっしりと感動しちゃいました。今の自分には、とても刺激的でした。

天才が努力したとき、誰も追いつけない高みに到達する…という典型的な存在…だと感じました。私の全く知らなかった小夜子さんが映っていました。密やかに静寂にクールに、自分の欲するものを求めて疾走した…という強烈な人生。だから「氷の花火」なのでしょうね…。山口小夜子さんには、もっともっと長生きして欲しかったのに…。花火は火の芸術…、強烈でも一瞬に散って儚いからこそ美しい…のかもしれないです。Frozen…。

シネマパンフに記された、作家・角田光代氏のコメントが印象的。
「自由とは、自分のほしいものをちゃんと知っていて、それにただしく手をのばすことができることだ。と、映画の小夜子さんに教わった。自由とはつまり、幸福だということも。」
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by tomtom2006T | 2015-11-26 00:09 | DIARY | Trackback | Comments(0)

ジャズ・マドンナ<十萌子>の、徒然なるままに・・・。


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