「天国」と「地獄」 (ボーカル発表会・Part1) 

今年のボーカル発表会が終りました。

発表会の後は、いつも天国と地獄…。

「天国」とは、超楽しかったという気持ち。
最後までそこに立ち会わなければ経験できない、聞くことのできない話が聞けたりすること。

「地獄」とは、音の記録(つまり録音した自分の歌唱)を検証する忍耐。
(ちょっと大袈裟かもしれないけれど…。)

一年に一回だけの贅沢なDream Bandをバックに唄わせてもらえる至福の喜びと、なぜかその場所に
棲みついているような魔物のせいなのか、緊張という言葉では表現できない「緊張を超越している緊張」に
押し潰されそうになります。なぜなんでしょうね…。

「よしッ、頑張るッ」と思いつつ、すくっとステージに立ったつもりでも、手が震え、足が地に着いていない
ような感覚に襲われ、呼吸が散漫になり、満席の店内でリハの時とは全く違って聴こえる自分の歌声に
動揺して力み、ゆうゆう伸ばせたはずの声も音符が詰まったり擦れたり割れたり…。

「普段の自分の力を発揮できれば良い」「去年の自分より何か進歩していれば良い」と思って臨むのだけれど、
その「普段の力」は魔物的プレッシャーによって「力み」に変わり、結局発揮できていないように感じるけれど、
実はそれが現在の自分の実力なのだと思い知るのでありました。
コンテストや大ホールでのパフォーマンスよりも緊張するのです。

まるで発表会のステージは、オリンピック会場のよう。4年に一度の晴れ舞台でプレッシャーに押し潰されて
力を発揮できないアスリートのよう…。オリンピックには魔物が棲んでいる…ってヤツです。

とか言っても、転んでもただでは起きないッ…という体育会系根性は健在で、「地獄」に耐えて、自分の歌唱を
検証してみるのです。唄う能力より、聴き分ける能力の方がいつも勝っています…。
良かったところと、良くなかったところと、完璧失敗したところと、なぜそうなったのか…と。
最終的には、良かったところ、成長したところを見つけて自分で自分を褒めてあげ、良くなかったところは
再び地道な努力で歩を進めるしかないと観念し、「楽しかった!」ことをシカと記憶に留めるわけなのです。

一字一句正確な記憶ではないけれど、いつだったかのオリンピック(か世界選手権)で日本人で初めて
銀メダルを獲得した短距離走者…末永?選手が、金メダルを獲れなかった原因は何か?とインタビューされて
答えた内容が、「彼より自分の練習が足りなかったからだと思う」…だったのを記憶しています。
その差は確か、百分の1~3秒くらいだったと思うけれど…。自分はアジア人だから欧米人の身体能力には
敵わないとか、才能が劣っているからとか、足が短いからとか…、そういう答えではなかったということが、
私にはとても新鮮に響きました。

結局思うことは、すべては練習なんだ…と。 しかも正しい練習…。
巧くても下手でも…。市民大会レベルでも、オリンピックレベルでも…。
歩みを止めたら、そこで終わり。
自分は天才でもなければ、生まれながらの特異な声帯を持っている訳でもなく、単に歌が好きなふつうの
人なのだから…。
限られた時間の中で、どれだけ精進したか…。それだけなんです。
たかが趣味、されど個人的には生活を彩る生き甲斐。
たかが歌、されど個人的には存在証明。
自分が自分の能力に挑戦しているわけだから、最初にそう決めたのだから、もう少し上の世界(境地)を
感じてみたいと欲しているだけなのです。

歌を唄うための声、メロディと言葉を表現するための声を高めるために、ここまで頑張ってきたわけだから、
一つの生き甲斐として、未だやめるわけには行かないなー。
実は半年以上、精進することをやめてしまうかもしれないと感じる程のスランプを味わっていたのだけれど、
なんとか踏み止まれるヒントを発表会で得ることができたので嬉しかった!

今年は、Body & Soulと、I Remember Youを唄いました。 だいぶ背伸びをしてしまったけれど、
自分が唄っているときに聴こえてくるDream Bandの方々の演奏や、唄っていないときに聴こえてくる
演奏が、今までで一番、自分の耳にビンビン聴こえてきて嬉しくて嬉しくて、I Remember Youの
演奏中は笑みを抑えることが出来なかった!自分がその素晴らしい演奏の真っ只中で唄わせて
もらっているという喜びは、自分の下手ぶりを申し訳ないと思いつつも、天にも昇る思いなのでありました…。

あぁ、今年も楽しかった!完全燃焼。

打ち上げも有意義でした。実は、打ち上げの時の会話の中に立ち直りのヒントが満載でした。

師匠に感謝。
(20人分の緊張を背負って一緒に唄ってくれていたのだと思います。病気になりそうなくらいの消耗だと
想像できます。)

そして、いつも一緒に演奏してくれている仲間に感謝。(ここまで来れたのは仲間のお陰…。)

毎年聴きに来てくれる友達に感謝。(歌をこころで聴く人たち…、一番手強い聴き手。)

Dream Bandに感謝。
色々な人々との出逢いに感謝。
聴いてくださって声を掛けてくださった方々に感謝。
Body & Soulの皆さんに感謝。

定禅寺ジャズフェス後の、もう一つの「一年」が始まりました。

次の一年は、より険しい道のような予感がするけれど、行ってみよう…、少しずつ。

唄うために、こころとからだの健康を保てるよう、切に心掛けようと思います。
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ベニスケさんが帰る…。
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by tomtom2006T | 2009-10-08 01:12 | DIARY | Trackback | Comments(0)

ジャズ・マドンナ<十萌子>の、徒然なるままに・・・。


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